「と思います」って、どんな時に使うんだろう?
みんなの日本語第2版の「教え方の手引き」の「〜と思います」(推量)の導入は、17課の会話を使っています。
この導入を読んで、ちょっと使えないなぁと思いました。
「〜と思います」(推量)って、どんな時に使うんだろうと考え始めました。
推量するためには、推量するための材料がいると思い、材料として「夕焼け」と「見て何かわからないもの」の写真を探しました。
第1版の「教え方の手引き」の導入を参考にしました。
練習として使った「顔写真から年齢を推量する練習」は、第2版の「教え方の手引き」に書いてあったものです。
「教え方の手引き」の「〜と思います」(意見)のほうの導入は、商品の価格を使っています。
例えば、iPhoneの値段が高いと思ったとき、「高いと思います」「高いです」「高いなぁ…」「高い!」のどれを使うでしょうか。
「高いと思います」は、丁寧な遠慮した言い方ですよね。
「高いと思います」と「高いです」の違いも扱いたいと思いました。
導入(推量)
導入に使う「天気の言葉」の復習
先生「(絵カードを使って)この天気の名前は何ですか。」
学生「雨です。」
学生「雨が降っています。」
学生「雪です。」
学生「雪が降っています。」
学生「曇りです。」
学生「晴れです。」(「晴れ」は「みんなの日本語」には出てこない。)
学生「晴れる。」(「晴れます」は「みんなの日本語」では32課)
先生「晴れています。」
先生「(この写真を見せて)白いところは何ですか。」
学生「雲です。」
導入
先生「(この写真を見せて)これは夕焼けです。17時ごろです。」
先生「明日は晴れだと思いますか。雨が降ると思いますか。」
先生「雲があります。」
学生「晴れ」
先生「晴れだと思います。」
(「雨が降ると思います」と答えた学生はいませんでした。)
説明
「(わたしは)晴れだと思います。」「(わたしは)雨が降ると思います。」をプリントにしておいて
先生「『わたしは』は言いません。」
次の問題をプリントにしておいて
問題 「を」ですか。「に」ですか。「と」ですか。
1. 学校の休みは土曜日( )日曜日です。
2. きのう友達( )京都へ行きました。
3. 明日雨が降る( )思います。
先生「『と思います』の前は普通形です。」
練習1(推量)
先生「(この写真を見せて)この女の人は何歳だと思いますか。」
学生「35歳です。」
先生「51歳です。」
(学生がざわめいた。)
先生「仕事は何だと思いますか。」
学生「?」
先生「女優です。」「actressです。」「演员(中国語)です。」
先生「(この写真を見せて)この男の人は何歳だと思いますか。」
学生「55歳です。」
先生「64歳です。」
先生「仕事は何だと思いますか。」
学生「?」
先生「歌手です。」「singerです。」「歌手(中国語)です。」
先生「(この写真を見せて)これは何だと思いますか。」
学生「(少し考えて)ハンガー」
先生「そうです。ハンガーです。」
(答えがわからない学生がいるので、次の写真を見せて行きました。)
練習2(推量)
(最初に「たぶん」と「きっと」の意味を訳語で確認しておきました。)
(訳語は不正確なので、実際に練習してみて学生の理解が正しいかどうか確認しようと思いました。)
先生「(世界地図の北海道を指して)ここはどこですか。」
学生「北海道です。」
先生「(世界地図の沖縄を指して)ここはどこですか。」
学生「九州です。」
(世界地図では沖縄は小さくわかりにくい)
(日本地図を見せて九州と沖縄の位置を確認しました。)
先生「(世界地図の沖縄を指して)ここはどこですか。」
学生「沖縄です。」
先生「(世界地図の北海道を指して)北海道は上にあります。」
先生「(世界地図の沖縄を指して)沖縄は下にあります。」
先生「沖縄の冬は暖かいと思いますか。」「『きっと』『たぶん』を使ってください。」
学生「はい、たぶん暖かいと思います。」
先生「北海道の冬は寒いと思いますか。」
学生「はい、きっと寒いと思います。」
先生「沖縄の冬は寒いと思いますか。」
学生「いいえ、きっと寒くないと思います。」
(「いいえ、寒くないと思います。」と「いいえ、寒いと思いません。」をプリントにしておいて)
先生「『いいえ、寒いと思いません』は強い言い方です。」
先生「『いいえ、寒くないと思います』を使ってください。」
先生「北海道の冬は暖かいと思いますか。」
学生「いいえ、たぶん暖かくないと思います。」
導入(意見)
導入1
先生「(この写真を見せて)これは何ですか。」
学生「相撲です。」
先生「人がたくさん見ています。」
先生「S1さんは相撲がおもしろいと思いますか。」
S1「いいえ、おもしろくないと思います。」
S1「S2さんは相撲がおもしろいと思いますか。」
S2「いいえ、あまりおもしろくないと思います。」
S2「S3さんは相撲がおもしろいと思いますか。」
S3「はい、おもしろいと思います。」
(アンダーラインをしたところはプリントにしてあります。)
(実際は、おもしろいと思うと答えた学生はいませんでした。)
導入2
(最初に「物価」の意味を訳語で確認しておきました。)
先生「S1さんは日本の物価が高いと思いますか。」
S1「はい、高いと思います。」
S1「S2さんは日本の物価が高いと思いますか。」
S2「はい、とても高いと思います。」
S2「S3さんは日本の物価が高いと思いますか。」
S3「いいえ、高くないと思います。」
(アンダーラインをしたところはプリントにしてあります。)
(実際は、高くないと思うと答えた学生はいませんでした。)
練習(意見)
(女性の学生ばかりだったので、「ブレスレット」の値段を使いました。)
先生「このブレスレットはいくらだと思いますか。」
学生「4000円だと思います。」
学生「5000円だと思います。。」
先生「2640円です。」
先生「高いと思いますか。安いと思いますか。」
学生「安いと思います。」
先生「このブレスレットはいくらだと思いますか。」
学生「3000円だと思います。。」
先生「6160円だと思います。。」
先生「高いと思いますか。安いと思いますか。」
学生「高いと思います。」
先生「このブレスレットはいくらだと思いますか。」
学生「6000円だと思います。」
先生「157300円です。」
先生「高いと思いますか。安いと思いますか。」
学生「とても高いと思います。」
学生「とても高いです。」
先生「『とても高いです』は強い言い方です。」
(ここは「強い言い方」ではなく「はっきり言うとき」と説明したかったんですが、「はっきり」は27課、「〜とき」は23課なのでこの説明にしました。)
〜についてどう思いますか
導入の前に
「〜について」の訳語を確認しておきました。
みんなの日本語の絵教材の19課-A46を使って、「体にいいです」「体に悪いです」を教えておきました。
導入
導入は「教え方の手引き」と同じですが、ここで「私もそう思います」を教えることができます。
先生「日本の電車はきれいだと思いますか。」
学生「はい、きれいだと思います。」
先生「日本の電車は便利だと思いますか。」
学生「はい、便利だと思います。」
先生「日本の電車は安いと思いますか。」
学生「いいえ、安いと思いません。」
先生「日本の電車についてどう思いますか。」「きれいだと思います。」「便利だと思います。」
先生「日本の電車についてどう思うますか。」
アン「便利だと思います。」
ソン「きれいだと思います。」
リン「きれいだと思います。」
先生「リンさん、『私もそう思います』です。」
練習
先生「お酒を飲むことについてどう思いますか。」
(「お酒を飲むこと」は、18課で「私の趣味は映画を見ることです」を学習しているので使えます。)
学生「体に悪いと思います。」
学生「私もそう思います。」
学生「いいと思います。」
学生「あまりよくないと思います。」
先生「S1さんは毎日ジョギングすることについてどう思いますか。」
S1「体にいいと思います。」
S1「S2さんは毎日ジョギングすることについてどう思いますか。」
S2「体にいいと思います。」
S2「S3さんは毎日ジョギングすることについてどう思いますか。」
S3「疲れると思います。」