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〈普通形〉でしょう?(みんなの日本語21課)

日本語の教案
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どんなときに使うんだろう?

どんなときに使うのか、最初、わかりませんでした。

教えにくそうと思いました。

それで、参考書を見ました。

みんなの日本語「教え方の手引き」では

「〜でしょう?」は聞き手に確認したり、話し手の発言に同意することを期待している場合に使われる。文末は上昇イントネーションになる。

教師と学習者がよく知っている場所や人を話題にし、同意を得られる内容で導入する。

先生「皆さん、秋葉原へ行きましたか。Sさん、行きましたか。」

学生「はい、行きました。」

先生「秋葉原は人が多いでしょう?」

学生「ええ、多いですね。」

先生「とてもにぎやかでしょう?」

学生「ええ、にぎやかです。」

みんなの日本語「教え方の手引き」 p183

まとめると、

  • 聞き手に確認するために使う。
  • 話し手の発言に聞き手が同意することを期待している場合に使う。

この二つです。

中上級を教える人のための日本語文法ハンドブックでは

⑴ 田中さんもハイキングに行くでしょ。↑

⑵ 高校の同級生に田中さんっていたでしょ。↑  彼女結婚するんだって。

⑶ 向こうに赤い屋根が見えるだろ↑  あれが僕の家だよ。

〈接続〉普通形+だろう/でしょう(ただしNa・N+だろう/でしょう)

◆だろうには確認を表す用法があります。確認というのは、出来事の内容について話し手がある程度の確信を持っているものの完全な自信はないため、聞き手に尋ねてその真偽をはっきりさせたい場合に使われる表現です。例えば、⑴では話し手は「田中さんがハイキングに行く」ということが正しいという見込みを持っていますが、それを断定する自信はないので聞き手に尋ねてそれが正しいことを確認しています。

◆一方、対話では話の内容について聞き手が話し手と同等の情報を持っていないと話が円滑に進みません。そのため、話し手は聞き手と自分の知識を同等にするために調整をしながら話をします。このとき、⑵のようにその情報について聞き手が知っているはずだが今はそのことに関心がない、あるいは、⑶のように聞き手が気がついていないと思った場合、話し手は聞き手がその情報に関心を向けるように誘導します。これを聞き手の知識の活性化と呼びます。「だろう」には聞き手の知識の活性化を表す用法があります。

◆「だろう」には相手を非難する用法もあります。この場合、文頭に「だから」が来ることが多く、イントネーションは自然下降調か下降調になります。

⑸ A:試験、あんまりできなかった。

  B:だから言っただろ{→/↓}。もっと勉強しておけって。

庵功雄ほか 中上級を教える人のための日本語文法ハンドブック pp254-255

まとめると、

  • 確認
  • 聞き手の知識の活性化
  • 非難

この三つです。

非難はよく使っています。

妻「買って来てって頼んだでしょ。」

夫「あっ、ごめん。忘れてた。」

でも「非難」は初中級レベルではないので外して、「確認」と「聞き手の知識の活性化」の二つだと考えます。

二つの本で「〜でしょう?」の整理の仕方が違うので・・・

「みんなの日本語」本冊の21課練習B-7では、

例が「あしたは休みです。→あしたは休みでしょう?」なので、

「聞き手に確認する」を扱っていると言えます。

21課練習B-8では、

例1が「日本は食べ物が高いでしょう?→ええ、高いです」、

例2が「そのカメラは高かったでしょう?→いいえ、そんなに高くなかったです」なので、

話し手の発言に聞き手が同意することを期待」を扱っていると言えます。

でも、例1なら、聞き手に日本の食べ物が高いことについてどう思うかを確認している

例2なら、聞き手が持っているカメラは高いと思ったが、ほんとうはどうかを確認している

と考えられるので、広い意味の確認だと考えました。

ですから、この「〜でしょう?」の意味は「確認」と「知識の活性化」の二つだと整理しました。

「知識の活性化」はよく使っている

妻「去年の冬は長野に行ったでしょう?」「今年は違うところにしない?」

夫「それもいいね。」

というように、「知識の活性化」はよく使っています。

でも、初級なので、みんなの日本語21課では「知識の活性化」は扱っていないと理解しました。

既習で、形が似ている表現は

  • (ハイキングをしていて疲れたので)あそこで休みましょう。(みんなの日本語6課)
  • (困っている人を見て)手伝いましょうか。(みんなの日本語14課)

この二つです。

この表現は、導入して練習が終わったあとに、こんな表現もあったことを思い出させたら、いいと思います。

導入の前にやったこと

「あまり」と「そんなに」の違い

(教室で、学生に「寒いですか」と聞いて、その返事を考えさせました。)

先生「Sさん、寒いですか。

学生「はい、とても寒いです。

学生「はい、寒いです。

学生「いいえ、あまり寒くないです。」「いいえ、そんなに寒くないです。

(横に並べたのは、程度が同じという意味です。)

学生「いいえ、寒くないです。

(アンダーラインのところは、この順で、プリントにしてあります。)

先生「『そんな』の『そ』は、『これ、それ、あれ、どれ』『ここ、そこ、あそこ、どこ』の『そ』と同じです。」

先生「『そんな』は、『寒い』です。」

先生「『あまり』の『あ』は、『これ、それ、あれ、どれ』『ここ、そこ、あそこ、どこ』の『あ』と同じじゃありません。」

(「そんなに」も「あまり」も、「翻訳・文法解説 英語版」の訳語は「not so (used with negatives)」です。)

「ほんとうに」を使うとき

先生「Sさん、北海道の冬は寒いと思いますか。」

学生「はい、寒いと思います。」

先生「みんな、北海道の冬は寒いと思います。」

先生「リンさんは冬に北海道へ行きました。

先生「リンさん、北海道の冬は寒かったですか。

リン「ええ、ほんとうに寒かったです。

(この「ほんとうに」を空白にして、何が入るか考えさせました。)

(アンダーラインのところはプリントにしてあります。)

導入1

先生「梅田(大阪市)は知っていますか。」

学生「はい、知っています。」

(全ての学生が梅田を知っていることを確認しました。)

先生「梅田は人がたくさんいますか。」

学生「はい、たくさんいます。」

先生「リンさんは10月に梅田に行きました。」「たくさんの人を見ました。

先生「アンさんは11月に梅田に行きました。

(11月下旬に授業をしました。)

先生「リンさんはアンさんに『梅田は人が多いでしょう?』と言います。」

先生「アンさん『ええ、多いです』と言います。」

(私は「梅田は人が多かったでしょう?」と言うんですが、みんなの日本語に合わせました。)

先生「リンさんはアンさんに『にぎやかでしょう?』と言います。」

先生「アンさん『ええ、にぎやかです』と言います。」

(アンダーラインのところはプリントにしてあります。)

(次に接続を確認しました。)

導入2

先生「アンさんが新しい時計をしています。

先生「リンさんはその時計が高いと思いました。

先生「リンさんはアンさんに『その時計は高かったでしょう?』と言います。」

(「その時計が高いと思いました」がないと、「その時計は高かったですか」になると考えました。)

先生「アンさんはリンさんに何と言いますか。」

学生「ええ、とても高かったですと言います。」

学生「ええ、高かったですと言います。」

学生「いいえ、そんなに/あまり高くなかったですと言います。」

学生「いいえ、安かったですと言います。」

(この「安かったです」はOKですが、日本人はあまり言いませんと説明しました。)

(アンダーラインのところはプリントにしてあります。)

(このときに時計の写真(写真の下に値段が貼ってある)を4枚黒板に貼って、それぞれの値段のときの返事を考えさせました。)

(使った時計の写真です。)

時計(セイコー ドルチェ&エクセリーヌ)115,500円
https://www.bettyroad.co.jp/shop/g/gseiko046/
時計(ダニエル ウェリントン ペティット メッシュ ピンク)23,100円
https://www.powerwatch.jp/2020/10/05/02-1750-1005/
時計(スカーゲン)12,900円
https://item.rakuten.co.jp/nopple/skw2864/?scid=af_pc_etc&sc2id=af_117_1_10000782
時計(オリビア バートン)9,980円
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